Buffalo IFC-AT133RAIDへのdmraidでのインストール備忘録(2015.10.31)
Buffalo IFC-AT133RAIDへのdmraidでのインストール備忘録(2015.10.31)
古いPC/AT互換機にLinuxをインストールしたときの顛末です。PATAのfake RAIDボードが刺さっていたので、これをきちんと使えるようにするのに少してこずりました。
PCの構成は下記の通りです。
- Motherboard Freeway FW-6280BXDR/155(Rev.B)
- CPU Pentium III-S 1.4GHzx2
- 下駄 PowerLeap PL-iP3/T rev.2.0x2
- Memory 512MB(256MB PC100 SDRAMx2)
- VGA Matrox Millenium G400 AGP Single Head 32MB
- UltraATA RAID Buffalo IFC-AT133RAID
- HDD Maxtor 6L250R0 250GBx2 RAID0
- DVD drive 松下LF-M621JD
- SCSI Adaptec AHA-2940U2W
- DVD-RAM drive Logitec LDV-R1100SK(松下LF-D101J OEM)(IFC-AT133RAIDのHDDにOSをインストールので、安全のため電源を抜いてある)
- HDD Ultra2 Wide SCSI数台(IFC-AT133RAIDのHDDにOSをインストールので、安全のため電源を抜いてある)
本題のfake-RAIDの前に、PAEがらみでつまずかないか確認してみました。結果からいうと、下記のすべてのディストリビューションで特別な手順は不要でした。ただし、後述しますがVine Linuxについてはインストールの途中までしか確認していません。なお、末尾のカッコ内はメディアの種類を示します。
- Debian 8.2.0(DVD)
- linuxBean 14.04.3-150820(CD)
- Ubuntu 15.04 desktop(DVD)
- Vine Linux 6.3(DVD)
- Lubuntu 15.04 desktop(CD)
- Xubuntu 15.04 desktop(DVD)
- Lubuntu 15.10 desktop(DVD)
- Ubuntu 15.10 desktop(DVD)
- Xubuntu 15.10 desktop(DVD)
続いて本題の、インストーラーでBuffalo IFC-AT133RAID(Silicon Image Sil0680(CMD680))がfake RAIDとして認識されるかを確認しました。結果は下記の通りです。
- Debian 8.2.0(DVD)
- boot optionを指定しない場合、2台のATA diskとして認識する。boot optionにdmraid=trueを設定すれば認識する
- linuxBean 14.04.3-150820(CD)
- boot optionを指定しない場合、2台のATA diskとして認識する。また、boot optionにdmraid=trueを指定しても同様になる
- Ubuntu 15.04 desktop(DVD)
- boot optionの指定なしで認識する
- Vine Linux 6.3(DVD)
- boot optionを指定しない場合、2台のATA diskとして認識する。また、boot optionにdmraid=trueを指定するとインストーラーでエラーになり、インストールが強制終了する
- Lubuntu 15.04 desktop(CD)
- boot optionの指定なしで認識する
- Xubuntu 15.04 desktop(DVD)
- boot optionの指定なしで認識する
- Lubuntu 15.10 desktop(DVD)
- boot optionの指定なしで認識する
- Ubuntu 15.10 desktop(DVD)
- boot optionの指定なしで認識する
- Xubuntu 15.10 desktop(DVD)
- boot optionの指定なしで認識する
上記はインストーラーがfake RAIDを認識するという条件を確認しましたが、上記でOKとなったDebian、Ubuntu、Lubuntu、Xubuntuのすべてでboot loader(GRUB)がインストールできないという問題がインストールの最後で発生しました。
検索したところ、Debian WikiのSATA RAIDの手順を参考にすればよいことが分かりました。
細かいところですが、一部手順通りではうまくいかない部分があったので、以下にLubuntu 15.04をインストールした場合の例を記載します。
- LubuntuのCDから起動する。
- インストーラーの言語が日本語だと文字が豆腐になるので、英語を使用する。
- タイムゾーンとキーボードレイアウトはそれぞれ自動でTokyoとJapaneseになっていた。
- bootloaderを/deb/sdaにインストールしようとして失敗するので、失敗した次に表示される画面でインストール先にドロップダウンリストから/dev/mapper/sil_cbajebaiabaf Linux device-mapper (striped)(502.0 GB)を選択するが、再び失敗する。
- シェルにおりて調査。ユーザー名=lubuntu、パスワードなし
- 原因が分からなかったので、インターネットを検索したところ、DebianのSATA RAIDのページが見つかる。
- debian 8.2.0 i386のDVDから起動する。
- Advanced options> Rescue modeにカーソルを移動後、TABキーを押す。
- boot optionの編集行が表示されるので、下記のように末尾にdmraid=trueを追加。
/install.386/vmlinuz vga=788 initrd=/install.386/initrd.gz rescue/enable=true --- quiet dmraid=true
- ホスト名とドメイン名を設定する。
- 下記ルートパーティションとして使うデバイスを選択する画面になるので、先頭の/dev/dm-?を選択する。私の環境では/dev/dm-1。
/dev/dm-1
/dev/dm-2
/dev/sda1
RAID アレイの組み立て
ルートファイルシステムとして使用しない
- 下記「レスキュー操作」の画面になるので、「/dev/dm-1内でシェルを実行」を選択する。
/dev/dm-1 内でシェルを実行
インストーラ環境内でシェルを実行
異なるルートファイルシステムを選択
システムの再起動
- シェルにおりたら、bashと入力する。
- /etc/default/grubをテキストエディターで開く。
cd /etc/default/
vi grub
- 下記行のコメントアウトをはずす。
GRUB_DISABLE_LINUX_UUID=true
- update-grubを実行する。
- grub-install /dev/mapper/と入力した後、TABキーを2回押すとファイル一覧が表示される。control以外がRAIDデバイス。
control sil_cbajebaiabaf sil_cbajebaiabaf1 sil_cbajebaiabaf5
- grub-install /dev/mapper/sil_と入力した後、TABキーを押すと下記に補完される。
grub-install /dev/mapper/sil_cbajebaiabaf
- 下記の表示がされ、GRUBのインストールが問題なく終了する。
Installing for i386-pc platform.
Installation finished. No error reported.
- シェルを抜ける。
exit
exit
- レスキュー操作の画面に戻るので、「システムの再起動」を選択する。
ちなみに、私の環境の場合は、ここでBIOSのbootデバイスの設定でSCSIを優先するように変更する必要があります。
しばらく待つと、無事、Lubuntuが起動しました。XのGUIセッションでログインした直後の使用メモリー量は、物理メモリー量(512MB)を下回る380MB程度となっているので、実使用が可能だと感じます。
なお、DebianおよびUbuntu、Xubuntuの15.04でも、同じ手順でGRUBのインストールができることを確認しました。ただし、Ubuntu、Lubuntu、Xubuntuの15.10はインストーラーに問題があるようで、GRUBのインストールに失敗した後、先に進めなくなるかインストーラーがクラッシュするかのいずれかとなり、インストールを完了することができなかったため、この手順を試すところまでいきませんでした。
ちなみに、Debianでのメモリ使用量はほぼ物理メモリ量いっぱいの510MB程度、UbuntuおよびXubuntuの15.04ではXのセッションが正常に起動しなかったためCUIでログインして確認したところ、320MB程度でした。