Sony NEWSの話題

  • NEWS5000SB(2025.6.26)
  • NEWS5000のROMモニタTIPS(2025.6.26)
  • MAMEによるNEWS5000Xエミュレーション備忘録(2025.11.7)
  • NEWS5000でNEWS-OS 4.2aRDのネットワークインストール(2025.11.8)(2025.11.12更新)

  • NEWS5000SB(2025.6.26)

    NEWS5000SBの機器構成(2025.6.26)

    私の所有するSony NEWS5000SBの機器構成は下記のとおりです。

    機種 ROMモニタバージョン CPU 2nd cache容量 メモリー容量 グラフィックカード ディスプレイ端子コネクター形状 シリアル端子コネクター形状 FDD HDD 光学ドライブ APbusカード
    NEWS5000SB APbus System Monitor Release 3.102 R4000SC(100MHz) 128KB 64MB(標準の32MBから増設) 内蔵XA 13W3 Dsub 25ピンオス 内蔵2ED 外付け3.5inch 2slotケース(内蔵ドライブはFujitsu MAW3300NC)
    外付けアイ・オー・データHDVS-UM27G(内蔵ドライブはアイ・オー・データHDI-40H(Samsung SV0411N)。使用されている変換基板の仕様か、32GBでクリッピング)(SCSI BUS 0/SCSI ID 1)
    内蔵Sony CDU-541(SCSI BUS 0/SCSI ID 6)
    外付けLogitec LDV-R47S(内蔵ドライブはPanasonic LF-D200J)(SCSI BUS 0/SCSI ID 5)
    NWB-5851
    NWB-5852A

    標準の内蔵HDD(SCSI BUS 0/SCSI ID 0)は故障したため、取り外しました。内蔵FDDは不調で、NetBSDのインストールFDが読み込めないことが多々あります。内蔵CD-ROMドライブは不調で、NetBSDのインストールには使用できませんでした。

    NEWS5000SBのNVRAM(2025.6.26)

    NEWS5000SBにはNVRAMが搭載されており、型番はSTMicroelectronics MK48T02B-25です。

    NVRAMのバッテリーが切れると起動しません。具体的には、電源スイッチを押した後しばらくすると、本体前面のNETWORKインジケーターが点滅し続け、コンソールには何も表示されません。

    私の所有するNEWS5000SBでは、DIPスイッチ4をONにしてNVRAMの情報を忘れた状態にすれば起動するようになりました。ただし、DIPスイッチ4をONにしても起動しないこともあったので、他の要因があるかもしれません。

    NEWS5000SBの電源ユニット(2025.6.26)

    筐体下部前面よりにあり、筐体幅ほぼいっぱいの大きさです。

    左側のACケーブル、右側の内部電源ケーブル3本を取り外し、前面左、前面右、右側面の固定ねじを取り外して、電源ユニットを左にスライドさせれば筐体から取り外せます。

    電源ユニット右側にはファンが3台取り付けられています。このファンは電源ユニットを取り外さないと交換できません。

    NEWS5000SBの本体内蔵ファン(2025.6.26)

    NEWS5000SB内部には、3種類のファンが内蔵されています。私の所有するNEWS5000SBでは下記の通りです。

    ファン種別 取り付け位置 向き 型番 台数 コネクター型番 備考
    電源ユニットファン 電源ユニット右側外部 排気 日本電産(現ニデック) D04X-12TL 04 3 日本圧着端子製造 PHR-2(コンタクト SPH-002T-P0.5Sなど)
    左側面ファン 左側面上部前面より内側 吸気 日本計器製作所 MFB 60A-12H 1 TE Connectivity 171822-3(コンタクト 170204-1など)
    背面ファン 背面 排気 三菱電機 MMF-12B12VH-R02 1 サーミスター付き

    NEWS5000のROMモニタTIPS(2025.6.26)

    MAMEによるNEWS5000Xエミュレーション備忘録(2025.11.7)

    概要(2025.11.7)

    多くのプラットフォームをエミュレートするMAMEでNEWS5000Xもエミュレートできます。

    使用するにはこちらの内容にしたがいます。

    私は、Ubuntu Desktop 24.04.3 LTSとWindows 10 Pro 22H2で動作を確認しました。MAMEのバージョンはそれぞれ0.281+dfsg1-0ubuntu1と0.281です。

    インストール(2025.11.7)

    ROMファイル(2025.11.7)

    rom_extractor.pyを使用して、ROMモニタのログからROMファイルを作成します。

    実機のROMモニタで以下のログを取得します。

    4つのログをmd.logというファイル名に格納した場合、下記のようにします。実行にはPythonが必要です。
    
    $ rom_extractor.py -v md.log
    
    

    ディレクトリーnws-5000xに4つのROMファイルとそれぞれのチェックサムファイルが作成されます。なお、monitor_rom.romはmpu-33__ver3.201__1994_sony.romにファイル名を変更します。

    mdのログをROM毎に処理することも可能です。この際、以下の2つのオプションを使用します。

    -o
    ROMファイルを置くディレクトリー。このオプションは必須ではないが、すでに存在するディレクトリーだとエラーになるので使用しない場合は注意が必要
    -r
    ROMの種類。monitor_rom、idrom、dsc-39_aprom、macromのいずれか
    
    $ rom_extractor.py -v -o ./nws-5000x_monitor_rom -r monitor_rom md_0x1fc00000.log
    $ rom_extractor.py -v -o ./nws-5000x_idrom -r idrom md_0x1f3c0000.log
    $ rom_extractor.py -v -o ./nws-5000x_dsc-39_aprom -r dsc-39_aprom md_0xb4800000.log
    $ rom_extractor.py -v -o ./nws-5000x_macrom -r macrom md_0xbe600000.log
    
    

    コンソール(2025.11.7)

    MAMEでは現状グラフィックコンソールをサポートしていません。MAME自身にテキストコンソールを表示可能ですが、私の環境ではキー入力ができなかったりして不安定なので、外部にコンソールを設けました。

    ネットワーク(2025.11.7)

    設定の確認(2025.11.7)

    現在の設定を確認するには以下のようにします。

    
    $ mame -showconfig
    
    

    設定ファイル(2025.11.7)

    必須ではありませんが、設定ファイルを使用できます。設定ファイル名はmame.iniです。 設定ファイルは以下のようにして作成します。

    
    $ mame -createconfig
    
    

    カレントワーキングディレクトリー/カレントフォルダーに作成されるので、内容を確認して必要に応じて変更します。

    私はデフォルトのフルスクリーン表示が使いづらかったので、OSD VIDEO OPTIONSセクションで下記のように変更しました。

    
    window                    1
    
    

    なお、同等のコマンドラインオプションは-windowです。

    仮想HDD(2025.11.7)

    事前にMAMEに含まれるchdmanを使用して仮想HDDを作成します。

    
    $ chdman createhd -o sd00.chd -s 2088960000
    
    

    メニュー(2025.11.7)

    MAMEのウィンドウ内にグラフィカルなメニューが表示されます。仮想端末のデバイス名を確認したり、ネットワークデバイスの設定やリムーバブルメディアの交換などに使用します。

    メニューを表示/非表示するキーはTABです。

    メニューを選択するにはシングルクリック、確定するにはダブルクリックです。

    エミュレート(2025.11.7)

    フロッピーディスクを指定するには、コマンドラインに下記を追加します。

    
    -flop フロッピーディスクのイメージファイル名
    
    

    もしくは、メニューで設定します。File Managerメニューのfloppydisk (flop)に指定します。

    私の所有するNEWS5000XのROMモニタのバージョンは3.202なのでエミュレート時に警告が表示されますが、ROMモニタは起動しました。

    情報取得用コマンド(2025.11.7)

    以下のコマンドでエミュレートする構成などの情報が得られます。

    
    $ mame nws5000x -listroms
    $ mame nws5000x -listdevices
    $ mame nws5000x -listslots
    $ mame nws5000x -listmedia
    
    

    NetBSD(2025.11.7)

    NetBSD-10.1のインストールを試してみました。

    NEWS5000でNEWS-OS 4.2aRDのネットワークインストール(2025.11.8)(2025.11.12更新)

    NEWS5000でNEWS-OS 4.2aRDをネットワークインストールするには、以下のサーバーが必要です。

    インストーラーはtftpdの公開ディレクトリー(/srv/tftpなど)に置きます。ファイル名はINSやINS.50からAABBCCDD.NWS50に変更します。ここでAABBCCDDはNEWS5000のIPアドレスをオクテット毎に16進数表記にしたものです。

    インストーラー以外のminirootおよびパッケージファイル群はNFSサーバーの公開ディレクトリー(インストーラーのデフォルトは/export)に置きます。ファイル名は変更しません。

    NFSサーバーはNFS version 2をサポートしている必要があります。最近のLinuxディストリビューションではNFS version 2が無効になっているため、古いバージョンを使用するかNFS version 2に対応させるかするなどの対処します。例えば、Ubuntu 24.04.5 LTSでは非対応なためkernelの再構築などを行います。

    Ubuntu Desktop 24.04.5 LTSでの備忘録(2025.11.8)(2025.11.12更新)

    インストーラーがminirootを読み込む際にエラーになります。具体的にはkernelのfs/nfsd/export.cのcheck_nfsd_access()がエラーを返します。

    /etc/exportsの設定で回避できないか調べたのですが解決できなかったので、私はkernel sourceを変更することで対処しました。(2025.11.12追記)インストーラーのRPCリクエストではcredentialのauthentication flavorがAUTH_NONE(AUTH_NULL)のものとAUTH_SYS(AUTH_UNIX)のものがあります。特に(minirootを読み込みそれからブートするまでの)INSTおよびINST.50のRPCリクエストではすべてAUTH_NONE(AUTH_NULL)です。NFSサーバーではAUTH_SYS(AUTH_UNIX)はデフォルトのauthentication flavorなので、/etc/exportsに以下のようにsec=none(またはnull)を追加することでインストール時に問題は発生しなくなりました。

    
    /export 192.168.XXX.0/24(sec=sys:none,ro,async,no_subtree_check)
    
    

    MAMEでのエミュレート時の備忘録(2025.11.8)(2025.11.12更新)

    rarpdもtftpdもTAPデバイスに割り当てられたIPアドレスのサブネットマスクが/32だとリクエストパケットを処理しませんでした。LinuxでMAMEでエミュレートする場合に使用するシェルスクリプトsrc/osd/sdl/taputil.shでは、NEWS5000XのIPアドレスのサブネットマスクを/32固定で設定しているので、このシェルスクリプトを変更し、TAPデバイスのIPアドレスのサブネットマスクを、エミュレートするNEWS5000Xのsonic0に割り当てたIPアドレスのサブネットマスクに合わせます。

    なお、rarpdは-oオプションを付けて起動すれば、サブネットマスクが/32でもリクエストパケットを処理しました。

    (2025.11.12追記)私の環境だけの問題かもしれませんが、ネットワークインストールではインストーラーが高確率でエラーになります。また、私の環境では(ネットワークインストールなので本来不要なはずの)CD-ROMを割り当てるとエラーになる確率が下がりました。


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