私が所有するSilicon Graphics社のワークステーションは下記のとおりです。すべてMIPS CPU搭載機です。
機種 | IP number | CPU | 2nd cache容量 | メモリー容量 | グラフィックカード | ディスプレイ端子コネクター形状 | シリアル端子コネクター形状 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Indy | IP24(IP22) | R4400SC(200MHz) | 1MB | 256MB | 24-bit XL | 13W3 | ミニDIN 8ピン |
2 | Indy | IP24(IP22) | R5000SC(150MHz) | 512KB | 256MB | 24-bit XGE | 13W3 | ミニDIN 8ピン |
3 | Indigo2 Impact | IP22 | R4400SC(250MHz) | 2MB | 384MB | SolidIMPACT | 13W3 | ミニDIN 8ピン |
4 | O2 | IP32 | R5000SC(200MHz) | 1MB | 256MB | CRM | HD15 | Dsub 9ピン |
5 | O2 | IP32 | R12000(400MHz) | 2MB | 448MB | CRM | HD15 | Dsub 9ピン |
機種 | PROMバージョン | |
---|---|---|
1 | Indy | PROM Monitor SGI Version 5.3 Rev B7 R4X00 IP24 Feb 16, 1995 (BE) |
2 | Indy | PROM Monitor SGI Version 5.3 Rev B10 R4X00/R5000 IP24 Feb 12, 1996 (BE) |
3 | Indigo2 Impact | PROM Monitor SGI Version 5.3 Rev E IP22 Sep 21, 1995 (BE) |
4 | O2 |
PROM Monitor (BE) Tue Oct 22 10:58:00 PDT 2002 VERSION 4.18 O2 R5K/R7K/R10K/R12K IRIX 6.5.x IP32prom IP32PROM-v4 |
5 | O2 |
映像信号はsync on greenです。SGI user groupのページに情報があります。
ディスプレイ端子のコネクター形状は一般的なHD15です。sync on greenでの同期信号と、H.SYNCおよびV.SYNCの両方が常時出力されているそうです。sync on green対応モニターに接続する場合、個別のH.SYNCおよびV.SYNCは不要なので、HD15の該当ピン13と14を切断します。私はこの加工を行ったHD15ケーブルを使用して、Sony GDM-F500RにKVMスイッチ経由で接続していますが、問題なく表示できています。
ディスプレイ端子のコネクター形状は13W3です。13W3コネクターのピン配列はメーカーごとに異なりますが、Silicon Graphics社の13W3コネクターのピン配列とSun社の13W3のRGB信号のピンであるA1、A2およびA3は同一です。sync on greenなので同期信号も含まれます。このため、Sun用13W3-HD15変換アダプターをHD15ケーブルと併用することで、13W3の機種でもディスプレイの表示が可能です。私は、13W3-HD15変換アダプターとして、Sun 130-3034-01を使用しました。
1から10については、Silicon GraphicsとSunでは異なるので、Sun 130-3034-01の結線を確認したところ、HD15側の13(H.SYNC or C.SYNC)は13W3側の5(V.SYNC)に、14(V.SYNC)は7(Mon 2)にそれぞれ接続されていました。他のピンもいくつか接続されていますが、HD15の13および14に入力があるのはまずいと考えたので、HD15ケーブルとしてO2用に加工したものを使用して、Sony GDM-F500RにKVMスイッチ経由で接続したところ、問題なく表示できています。
COM1をシリアルコンソールの使用を明示的に指定するには下記のようにします。この設定を行うと、キーボードが接続されていたとしてもCOM1がシリアルコンソールになります。
initで再起動し、再起動後にシリアルコンソールコンソールが有効になります。
>> setenv console d
>> init
なお、明示的にシリアルコンソールを指定しない場合でも、キーボードが接続されていない場合にはCOM1がシリアルコンソールになります。ただし、この状態では、O2においてIRIXのインストールがエラーで失敗しました。
グラフィックコンソールにするには下記のようにします。
>> setenv console g
>> init
シリアル端子のコネクター形状は、Macと同じミニDIN 8ピンです。このため、シリアルケーブルに注意が必要です。私はサンワサプライ KRS-405M1KをDsub 25ピンメス-Dsub 9ピンオス変換アダプターとDsub 9ピンシリアルクロスケーブルと組み合わせて、また、KRS-406M2KをDsub 25ピンメス-Dsub 9ピンメス変換アダプターと組み合わせて使用しています。
なお、COM2をシリアルコンソールにすることも可能です。この場合、PROMで下記のようにします。
>> setenv console d2
>> init
シリアル端子のコネクター形状は、一般的なDsub 9ピンです。
シリアルコンソールとして使用できるのはCOM1のみです。
所有するすべての機種の本体のSCSIコントローラーのSCSI IDは0です。他の多くの製品では、SCSIコントローラーのSCSI IDは7なので注意が必要です。
IRIXのインストールメディアのファイルシステムがEFSのため、CD-ROMドライブのブロックサイズを512Byteに設定する必要があります。
私は、Plextor PX-32TSiを外付けSCSI光学ドライブケースに入れて使用しています。この外付けCD-ROMドライブは、主にCD-ROMが内蔵できないIndy用に使用しています。また、Indigo2 ImpactやO2の内蔵CD-ROMドライブが不調な際にも使用しています。
HDDは、専用のブラケットに取り付けて、本体に装着します。 光学ドライブは内蔵できません。
HDDも光学ドライブも専用のマウンターに取り付けて、本体に装着します。本体右側に3.5インチスロットが縦に並んで2つ、本体中央に5.25インチスロットが1つあります。
私の所有するIndigo2 Impactは、3.5インチスロットが両方とも空き、5.25インチスロットにはCD-ROMドライブToshiba XM-3401B(CDキャディー式)が搭載されています。
HDDは、専用のHDDトレイに取り付けて、本体に装着します。R5000モデルは2台、R10000モデルは1台内蔵可能です。
光学ドライブは筐体上部に1台取り付けられています。
PROMはEPROMに格納されているので、基本的にはチップの交換でバージョンアップに対応します。
EEPROMに格納されているので、ソフトウェアによる書き換え(バージョンアップ)が可能です。
なお、O2のPROMはIRIXのパッチとして提供されているので、新しめのバージョンのIRIXをインストールすると、PROMがアップデートされます。
メモリー不良時に下記のようなエラーが発生しました。メモリーを交換することでエラーは発生しなくなりました。
EPC: 884dae00, ErrEPC: a84ea5a4, GioParityErr: 0005e000
Cause: 0000c000, Status: 30404003, CacheErr: a0007ffb
CpuParityErr: 00000340, GioParityErr: 00000000
LIOstatus0: 00000002, LIOstatus1: a8dcf5d4
CpuErrorAddr: 08544528, GioErrorAddr: 1fbd9833
>> boot -f dksc(0,3,8)sashARCS
136336+22752+3248+341792+49344d+4620+6880
Exception:
Status register: 0x30044803
Cause register: 0x1000c000
Exception PC: 0x9fc0ebe4, Exception RA: 0x9fc0e8d4
Interrupt exception
CPU Parity Error Interrupt
Local I/O interrupt register 2: 0xc8
CPU parity error register: 0x320
CPU parity error: address: 0x8000460
Saved user regs in hex (&gpda 0xa8740e48, &_regs 0xa8741048):
arg: a8740000 88000480 88400400 88000000
tmp: a8740000 a8756f40 a8756f40 a8756f40 a874aba0 a87ff648 4 10
sve: a8740000 c12dc13a 0 c0f9138a 0 c0edd9c9 0 bf077b8a
t8 a8740000 t9 c0dcea58 at 0 v0 c0f9138a v1 0 k1 7807b140
gp a8740000 fp fbbb9d9b sp 5140b5b7 ra ac15e739
PANIC: Unexpected exception
[Press reset or ENTER to restart.]
Exception:
Status register: 0x30040004
Error EPC: 0x8852a9c8, Exception RA: 0x884dade8
CacheErr 0xe4144522
--> ECC/Parity ERROR on the SysAD bus
CPU Parity Error Interrupt
Local I/O interrupt register 2: 0xc8
CPU parity error register: 0x340
CPU parity error: address: 0x8544520
NESTED EXCEPTION #1 at ErrorEPC: 884fe100; first exception at PC: 8852a9c8
LEDの色、点灯・点滅状態の意味について、SGI user groupのページに情報があります。
9.3、9.4および10.0でGENERIC kernelを起動できません。
PR#58269でバグ報告されています。パッチがあります。10.1で修正見込みです。
ワークアラウンドとして、ネットワークブート、または、sash経由で起動する方法があります。なお、sash経由で起動するには、sashが認識可能なファイルシステムにkernelを置く必要があります。IRIXがインストールしてあるなら、IRIXのXFS(私は試していませんがたぶんEFSも可なはず)に置くのが便利です。下記は、Indyでの起動コマンドの例です。
>> boot -f scsi(0)disk(1)rdisk(0)partition(8)sash scsi(0)disk(1)rdisk(0)partition(0)NetBSD/netbsd
大きな問題はありません。
9.1以降、起動途中でハングアップします。
PR#57654でバグ報告しました。R5000SCの2ndキャッシュ関連のソースコードを9.0のものに差し替えれば動作します。
他のユーザーからも同様の報告がport-mips MLに何件か報告されています。(1、2、3)
ワークアラウンドは、シリアルコンソールを使用することです。
PR#36158でバグ報告されています。
9.1以降、起動途中でハングアップします。
Indy R5000SC同様、PR#57654でバグ報告しました。R5000SCの2ndキャッシュ関連のソースコードを9.0のものに差し替えれば動作します。
動作が不安定です。私の環境では、pkgsrcのビルド中に頻繁にハングアップします。
kernelコンフィグのmakeoptionsの-mtuneをr12000に変更したところ、pkgsrcのビルドが一部できるようになりました。また、GXemul上での動作も改善しましたが、pkgsrcのビルドができるほどの安定性はありませんでした。
他のユーザーからも同様の報告がport-mipsまたは(昔の廃止された)port-sgimips MLに「crime: cpu error 4」の話題として何件か報告されています。(1、2、3、4、5)
NetBSDでは、MACHINE_ARCHが同一であれば、ユーザーランドのバイナリーを共有可能です。たとえば、sgimipsとnewsmipsはいずれもmipsebなので、バイナリーファイルを共有できます。他のMACHINE_ARCHでも、たとえばm68kは多くの機種があるので便利だと思います。